Essay

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初フルマラソン(奈良マラソン2011)

初フルマラソンの日がやってきました。
経験者から「フルはハーフと全然違うよ。足がつったり、予想できない事故が必ず起きるから」
とビビらされていたので、「無理せず完走を目標に頑張ります」と控えめな発言をしていましたが、
心の中では「時速10kmペースで4時間15分完走」というタイムもひそかに狙っていました。
というのもトレーニングではそのペースでハーフ(21km)を走れていたし、
4時間15分で完走できれば将来的に「夢のサブ4」も射程距離圏内に入ると思ったからです。

ところが現実はそんな甘いものではなかった。。
奈良マラソンは上級者に「タフなコース」と言わしめるくらい過酷な上に、
今年から復路に小刻みなアップダウンが加わり更にランナーを苦しめるコースとなっていたのです。
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12月10日(前日)

競技場で受付を済ませ、野外ステージの進行表を見ていると「Mitch's Quartet」の文字を発見。
すぐにMitchに電話すると、ステージ横から永田氏、富永氏、黒川氏も一緒に手を振ってくれている。
思わぬ場所で会えた上に、明日の完走を励ましてくれて嬉しかった。
演奏を聴きたかったが私もリハーサルがあったため、後ろ髪を引かれる思いで奈良をあとに。
その夜の「Ken Navarro Special Live@Green Note」も大盛況に終わり、23時にホテルに帰還。
食事~風呂を済ませ、0時半にベッドに入ったが、気持ちが昂ぶってなかなか寝付けなかった。
(夕食/サンドウィッチ、夜食/きつねうどん・おにぎり・ヨーグルト)

12月11日

6時起床。
バナナとゼリー系栄養食、それに少量の水分を摂り、鴻ノ池競技場に向かう。
更衣室に入ると消炎スプレーの匂いが鼻をつく。
みんな故障を抱えながら戦っているんだ、と改めて気持ちが引き締まる。
高揚した士気と不安が入り混じった室内は何ともいえない雰囲気。
みんなまるで同じ戦場に赴く兵士たちのようだ。
気温は最低1℃/最高10℃、服装は長袖コンプレッション&半袖を選択。

集合場所に並び、準備運動で体をほぐす。
9時にスタートの号砲。
しばらくはダンゴ状態。ウォーミングアップのつもりでゆっくり走る。
少しずつペースを上げ5km地点くらいから自分のペースで走れるようになった。
奈良らしく途中で鹿が飛び出してくるハプニングも。
★10kmの通過タイムは1時間02分13秒。(★ネットタイム)
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だがそのあたりから左ひざに針で刺すような痛みが。
この痛みは要注意で、過去に走れなくなった苦い経験がある。
すぐに前傾姿勢が原因だったことを思い出しフォームを微調整。
そして給水所で小まめに塩飴、バナナ、水分を補給。
しかしこの塩飴の塩分が私にはきつく、後半で異常にのどが渇く事態に。
ぜんざいとそうめんの給食ポイントはタイムロスになるのでスルーした。

★20kmの通過タイムは2時間02分00秒。
10km地点からは時速10kmペースで走れている。疲れもない。
これはもしかしたら目標に近いタイムが出るかもしれない。膨らむ期待。

21kmを越え、いよいよ未知の世界に突入。体に異変が現れ始めた。
まず足裏が痛み出し、やがて太もも裏の筋肉が張ってきた。
足裏にマメができたらどうしよう、太もも裏がつったらどうしよう…
だが心配しても仕方がないので何も考えず機械的に走るモードにチェンジ。
今思うとこの時点でストレッチをした方が良かったのかもしれない。

フルマラソンでは30~35kmに大きな壁があることはさんざん聞かされていた。
私もここをクリアできれば何とかなると思っていた。

しかしその手前、29km地点に上昇高度60メートルの長い坂道が待ち受けていた。
最初は頑張って走っていたが、徐々にペースが落ちてきたので諦めて歩くことに。
同じ勾配の坂を17km地点では走れていただけに、スタミナ不足を痛感させられる。
これが30kmの壁なのか。ここからの失速が著しい。
★30kmの通過タイムは3時間18分19秒。20km地点から1時間16分もかかっている。

35km地点ではかなり体力を消耗して、平地でも歩きたいくらいヘロヘロな状態。
どうせこんなことになるなら、ぜんざいとそうめんを食べておけばよかった。(ToT)
だが幸い、私のゼッケンには「タマちゃん」という名前を入れてあったので、
沿道の子ども・にぃちゃんねぇちゃん・おっちゃんおばちゃん・じいちゃんばあちゃんから、

「 タ マ ち ゃ ー ん !  が ん ば れ ー !  フ ァ イ ト ー ! 」

と熱い声援がひっきりなしに聞こえてくる。
歩くわけにはいかない。とにかくゆっくりでも走るしかない。
もう周りが認識できず、抜いているのか、抜かれているのかも分からない。
疲労が極限に達し、足がいうことを聞いてくれず顔をゆがめて走っているのに、

「 タ マ ち ゃ ん 、 え え 顔 で 走 っ て る で ぇ ! 」

やて。もぅしんどいっちゅうねん、歩きたいっちゅうねん。

ゴール手前の坂を最後の力をふりしぼって走り、有森裕子さんとハイタッチしてゴール!
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やったー! 完走やー! しんどかったー!
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★フィニッシュタイムは4時間41分00秒。
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ゴール直後から左ひざの痛みがひどく、曲げるたびに思わず「アァッ」と叫んでしまう。
でもその叫び声は勝鬨(かちどき)のようなものかもしれない。
もし途中でリタイヤしていたら、きっと悔しくて情けなくて、黙って痛みをこらえていたと思う。

最後に。

励ましのメール、沿道の声援、ハイタッチでエネルギーをくれた人たち、本当にありがとう!
みんなのお陰で初フルマラソンを楽しむことができました。
正直なところ、完走直後は「こんなキツいコースはもう二度と走りたくない」と思いましたが、
日記を書いているうちに、苦しいときにたくさんの人に励ましてもらったことが思い出され、
またあの暖かい声援の中を走りたいと思うようになりました。
きっと来年もエントリーします。
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by Tetsuro_Aratama | 2011-12-19 11:29 | マラソン

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